Project/Area Number |
10750008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | 東京商船大学 |
Principal Investigator |
大貫 等 東京商船大, 商船学部, 助手 (60223898)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Langmuir-Blodgett膜 / BEDO-TTF / 電気伝導 / 脂肪酸 |
Research Abstract |
本研究では、最近開発された金属的LB膜BEDO-TTF-脂肪酸系における導電性発現の機構を解明し、より高い導電性LB膜作製の指針を得ることを目的としている。このようなLB膜の導電特性は特にBEDO-TTF系分子の面内配列構造に支配されていると考えられ、本期間ではこのLB膜の面内構造に焦点をあてて研究を行った。結果としてLB膜における単色ラウエ写真の撮影に成功し、面内構造解明への具体的な手がかりが得られた。また、アルキル鎖部分の面内配置が導電性に大きく関与していることが、脂肪酸としてステアリン酸とベヘン酸を用いた比較実験から明らかとなった。以下にそれぞれの実験成果について詳しく述べる。 CrKα線を用いた単色ラウエの実験では三本の回折リングが確認された。その内2本はアルキル鎖部分の面内パッキング構造であるR(0,±2)によるものであり、また残りの一本はBEDO-TTF層からのものであろうと推定された。 ステアリン酸とベヘン酸を用いた比較実験では、ステアリン酸混合LB膜の赤外吸収スペクトルの電荷移動吸収バンドが低波数側へ移動しているのが観察された。また同時に直流電気伝導度も増大しているのが明らかになった。ところで、ステアリン酸素とベヘン酸を用いた金属塩LB膜では、ステアリン酸LB膜ほうほうが微視的な欠陥の少ない、整った面内分子配列が観察されることが報告されている。従って本LB膜においても、ステアリン酸分子の同様な傾向が導電性発現に必要なBO分子の二次元的な分子間接触のネットワークの構築に関与し、高い電気伝導特性を与えているのではないかと考えられる。また、X線回折から求められる積層周期の違いが、アルキル鎖がR(0,±2)構造となっていると仮定した時の差異とほぼ一致しており、単色ラウエの実験結果と矛盾しないものとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)