Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
圧電結晶を伝搬する弾性波は,圧電効果によりひずみと圧電場が結合して伝搬する波である.圧電場の境界条件は圧電結晶表面で連続なので,表面近傍にも漏れている.この漏れている範囲内に物質がくると,物質の電気的特性,すなわち誘電率と導電率により圧電場が影響される.このため,弾性波の伝搬速度や振幅が変化する.したがって変化量を検出することにより,物質の電気的特性を知ることができる.本研究は,圧電結晶から漏れている圧電場を利用した新しい顕微鏡を提案し,その基礎研究を行うことにある. 圧電場を発生させるために圧電結晶を用いて作成される弾性表面波(SAW)素子を利用した.気相系で固体物質の表面の電気的特性を測定するための装置を作成し,プローブ法により圧電結晶表面の電位を計測した.その結果,表面から数μメータの範囲に圧電場が局在していることが分かった.これは,数値解析の結果と一致している.一方,液相系において,物質の沈殿現象を圧電場をプローブにして検出することができた.SAW素子は水晶振動子のように微量質量計として働く.しかし,対象の密度が水に近い場合,質量負荷として検出できない.これに対し,圧電場を利用すると,体積による界面近傍の電気的特性変化を検出することができる.このことを実験的に確認した.以上のことより,圧電結晶を利用したセンサの場合,圧電場を積極的に利用することがセンサの特徴を考慮すると最も適しているという結論に達した.
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