Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
β-BaB_2O_4(BBO)は吸収端が190nmと短く,紫外域まで波長変換が可能な材料として実用化を目指した研究が精力的に行われている。ところが最も基本的な物理量である2次非線形光学定数の測定例がBBOでは極めて少なかった。本研究ではBBOの非線形光学定数を可視から紫外第2高調波波長の領域にわたって精密に測定し,その絶対値を決定した。 測定試料はソニー中央研究所久保田研究室でチョクラルスキー法により成長したものを提供していただいた。基本波波長1.313μm,1.064μm,0.852μm,0.532μmにおいて,d_<22>をウェッジ法を用いた絶対測定により求めた。各波長での測定用光源には,いずれも単一縦モード連続発振で動作する,DFBレーザ,半導体レーザ励起Nd:YAGリングレーザ,Ti:サファイアレーザ,半導体レーザ励起Nd:YAG SHリングレーザをそれぞれ用いた。また,その他の独立な成分d_<33>,d_<31>,d_<15>は値が小さく上記の光源では解析に十分なパワーの第2高調波が得られなかったため,基本波光源にQスイッチNd:YAGレーザを用い,波長1.064μmでd_<22>との間で相対測定を行った。得られた測定データに対しては試料内での基本波,第2高調波の多重反射を考慮した解析を行った。 その結果,d_<22>の絶対値は基本波波長1.313,1.064,0.852,0.532μmでそれぞれ1.9,2.2,2.3,2.6pm/Vと決定した。また,1.064μmでの相対測定から得られた他の成分の絶対値は,それぞれd_<33>=0.04pm/V,d_<31>=0.04Pm/V,d_<15>=0.03pm/Vで,いずれもd_<22>の2%以下と小さいことがわかった。各波長でのd_<22>の値から求められるMillerのΔの値は測定誤差(±5%以下)を考慮しても波長に対して一定であるとは言えず,したがって,本研究のように各波長毎に非線形光学定数を測定することが正しい値を得るためには重要である。 BBOに限らず紫外第2高調波波長での非線形光学定数の測定例はほとんど無く,今回,特に0.532μmで非線形光学定数を決定したことにより,今後BBOを紫外第2高調波波長における参照物質として用いることができる。
|