Project/Area Number |
10750053
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Engineering fundamentals
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩田 覚 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (00263161)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 組合せ緩和法 / 行列ペンシル / システム解析 / 組合せ最適化 / アルゴリズム / 多項式行列 |
Research Abstract |
動的システムの解析や設計に重要な役割を果たす多項式行列の小行列式の最大次数を求める算法設計の新しい方法論として、代数的手法と組会せ的手法を融合した。『組合せ緩和法』が提唱されている。本研究では、組合せ緩和法の枠組みを尊重しつつ、多項式行列の変形に多くの記憶領域を要するという問題点を克服するために、動的システムの解析や設計に本質的な行列ペンシルに対象を限定した上で、定数行列による行列変換のみを用いた新しい組合せ緩和算法を開発した。この成果を、99年1月にボルチモアで開かれた第10回ACM/SIAM離散アルゴリズム会議で発表した。 行列ペンシルの小行列式の最大次数は、Kronecker標準形の構造指数と密接な関係がある。行列のKronecker標準形を求めるアルゴリズムとしては、従来、反復法を中心とした研究が行われてきたが、本研究を通じて、消去法を基礎とした直接法によって構造指数を求められることが明らかとなった。 組合せ緩和法は、優れて斬新な方法論であるが、未だ実用的なレベルに達してはいない。その原因としては、算法の正当性を理解するために、数値計算の専門家やシステムの解析や設計に携わる技術者に馴染みの薄い、組合せ最適化のかなり高度な議論を必要としていることが挙げられる。この問題点は、使い勝手のよい信頼できるソフトウェアを提供することによって解消されるであろう。 また、行列の組合せ論的な側面を抽象化したマトロイドと不可分の関係にある劣モジュラ関数に関して、多項式時間で最小値を求める組合せ的なアルゴリズムを開発した。
|