Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
空力加熱を受ける極超音速飛行機の表面やエンジン内の燃焼室など厳しい温度環境におかれる構造物では,熱応力による変形が無視できないものとなる。熱変形を一定範囲に押さえることは,航空宇宙構造物などの安全性を高める観点で非常に重要である。本研究では,熱機械的に連成した構造力学の問題を解決できる有限要素法の理論を検討して,複合材構造物を対象とする数学的定式化を行った。変位と温度を基準変数とした有限要素法を用いて,対象構造物の力学的挙動をシミュレーションした。例えば,積層された複合材の厚さ方向の温度勾配を正確に計算できるように,はり型の場合に二次元有限要素を使って非定常熱伝導方程式の温度応答を求めた。また,平衡方程式と熱伝導方程式の安定的な時間積分技法と,効率的な解法アルゴリズムの構成を綿密に考慮した。全体的な方程式は線形問題なので,繰り返し計算を避けるように連成項の取り扱い方に注意した。効率性と安定性の向上を図れる解析アルゴリズムを設定して,有限要素法プログラムを構成した。有限要素法プログラムを使用して,熱機械的に連成した構造物の熱変形を解析した。 応用的な数値計算の例として,円形の穴を持つ正方形二次元構造物に,線形状の熱源を埋め込んだ問題の変位・応力・温度等の応答を検討した。急激に温度場が変化する環境で,熱源の数や位置を変えた場合の熱機械的な効果に注目した。すなわち,熱変形の制御の基礎研究として熱源を埋め込んで配置する概念に基づき、エネルギーのバランスを能動的に変化させた。変形エネルギーと熱エネルギーの相互関連性を理解して,熱源の最適配置に関するアルゴリズムの有効性と構造物の熱機械的な特性を把握した。その結果,熱源の配置や熱流量の変化によって、構造物の静的変形抑制の効率を大きく改善することができた。
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