板材の繰返し弾塑性挙動、摩擦特性のモデル化とそれを用いたスパリングバック解析
Project/Area Number |
10750071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Materials/Mechanics of materials
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡田 達夫 広島大学, 工学部, 助手 (00233338)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 塑性加工 / 板材成形 / スプリングバック / 有限要素法 / 摩擦係数 / 高張力鋼板 / 繰返し塑性 / 弾塑性FEM / 移動硬化 / バウシンガー効果 |
Research Abstract |
本研究は板材成形シミュレーションにおける材料モデルと摩擦の取扱いを厳密化することによって,最終的な製品形状の実用レベルでの予測手法の確立を目的としている.本年度は軽量高強度な点から乗用車への応用が期待されている高張力鋼板に焦点を当て,工業的に問題となっているスプリングバックの予測手法について,解法(初等解法,FEM)による精度の違い,厳密な摩擦係数の導出方法等を含めて検討した.具体的な内容は次のようである.鋼板の実用ひずみ域での繰返し変形特性を計測できる新たな試験方法を提案し,その結果をもとに昨年度提案した構成モデルの材料パラメータを同定した.曲げ/曲げ戻しを受ける部位での摩擦係数の厳密な算出方法について検討した.さらに,それらを導入した弾塑性FEMと初等解法のプロブラムを用いて曲げ加工プロセスのシミュレーションを行い,その精度を検証した.得られた結果の概略は以下のとおりである. 1.応力反転時の遷移軟化挙動を精度良く表現できる構成モデルを導入することによって,初等解法,弾塑性FEMともに,曲げ加工時のスプリングバック量の予測精度は大きく向上することがわかった.弾塑性FEMではほぼ実際どおりの結果が得られ,初等解法はやや大きめに予測する傾向がある.とりわけ高張力鋼板では成形時の変形抵抗が高いため,応力反転時の材料モデルの相違は結果に極めて大きな影響を与える. 2.ローラー押込みによる二段階引張り曲げ/曲げ戻し摺動試験と塑性変形エネルギーの理論解析から摩擦係数を算出する方法を提案した.板の繰返し変形にともなって表面損傷が増し,摩擦係数は増加するという結果が得られた.また,この摩擦係数をFEM解析で利用することにより,解析精度をさらに向上させることができることがわかった.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)