光誘起トンネル電流による真実接触面の評価-二相分離系合金の表面偏析に伴う摩擦現象の解析-
Project/Area Number |
10750106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小竹 茂夫 三重大学, 工学部, 助手 (40242929)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | トライボロジー / 真実接触面 / 表面偏析 / 電流透過率 / 摩耗 / 非平衡熱力学 / モル流束方程式 / 弾性定数 / 摩擦係数 |
Research Abstract |
本研究は、レーザー光を半導体に照射する際に生じる光誘起電流(PIC)を用い、金属-半導体界面に生じる真実接触面の分布および、摩擦の原理的な研究を電子論の観点から行うものである。本研究は以下の4点からなる。それらは、(1)PICによる固体間界面の電流透過率の評価を行い、摩擦係数、その他の物理量との関係について考察を行うこと、(2)様々な金属についての、半導体界面に生じる真実接触面の分布を測定すること、(3)光学解析(分光偏光解析装置)により、2相分離系合金の表面偏析について解析を行うこと、(4)摩擦や摩耗について、接触界面での電子やモル流束の観点から基礎理論を導出すること、である。以下に、それぞれの研究の概要をまとめる。「PICによる固体間界面の電流透過率の評価」では、荷重の増加に対して比例するPICの積分値およびレーザーの強度による半導体界面の励起電子数の見積もりの比(平均界面電流透過率:γ)から、固体間界面の電流透過率の評価を行った。種々の材料について単位圧力当たりのγの増加率(平均界面電流透過係数:β)を測定したところ、βは弾性定数の逆数(1/C_<11>)に、近いオーダーの値を示すことが分かった。現在のところ、弾性定数と摩擦係数(μ)の関係からこの理由を考察しているが、良い結果は得られていない。「真実接触面の分布を測定」については、Cu,Ni,Inについて、真実接触面の分布を測定した。真実接触面積は、塑性流動圧力(pm)に反比例し、分布も、Inについては、中央部に真実接触分布が見られたのに対し、Cu,Niでは、試料周辺部に分布が存在した。「分光偏光解析装置による2相分離系合金の表面偏析の解析」では、分光偏光解析装置を作製し、Al-Pb系多層膜の表面偏析による光学定数の変化について解析を行った。蒸着により作成した多層膜よりも単層膜の方が、より偏析の効果が大きいことが分かった。これは、Pb粒子の微細化により、拡散圧が減少したためと考えられた。「流速方程式による摩擦・摩耗の基礎理論」については、非平衡熱力学によるモル流速から導いた核生成理論を応用し、固体間の接触界面における最低摩耗粉の臨界半径について、理論を構築し、材料による摩耗の違いを熱力学的に理解する手法を与えた。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)