Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
平成10年度の研究では,凹面状の音源から放射される音波の焦点領域に,強い音響流が発生することを明らかにした。平成11年度は,強い音響流の発生機構と乱流化の問題に対し,より明確な理解をうるために,管内の音響流の解析を行った。 管内の音響流が,有限振幅の定在音波が振動境界層外縁に誘起する定常な流速成分によって発生することは古くから知られている。Rayeighは,レイノルズ数が1より小さい定常な音響流に対して,その発生機構と振舞いを説明する簡潔な理論解析を行った。しかしながら,Rayleighの解析は,振動境界層内部の定常流成分の発生を説明する過程を除いて,実質的に線形理論の枠組みの中にとどまっており,音波の振幅が大きい場合の高レイノルズ数の発生とその振舞いを説明することはできない。 音源での音波のマッハ数Mと無次元化された境界層厚さが同程度に小さい場合,共鳴条件を満たすように励起された振動は,衝撃波を生じ,Mの平方根程度の大振幅の振動となる。平成11年度は,このような場合を理論的に考察した。まず,流速を渦なし成分と非圧縮成分に分解し,非圧縮成分のうち,時間に関してゆっくりと変動する部分が音響流であると仮定し,多重尺度法を用いてこれを支配する非線形方程式を導いた。これが音響流のモデル方程式となる。適合する境界条件は,接続漸近展開法を用いて振動境界層内の流れを調べることによって与えられることを示した。
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