Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
本年度は、気泡発光の安定性を向上させ、可視化実験への導入を図るため、円筒形の容器を新たに製作し、その発光安定性のテストを中心に実験を進めた。円筒容器は、従来とは異なり、平らな面(円筒の底面)を鉛直に設定し、水平面内で光学計測が可能なように設置した。また、流体コードの開発については、1次元バージョンをほぼ完成させた。実験に関しては、同一の容器に対して複数の異なる共振モードにおいてソノルミネッセンスの発光を確認した。安定した光学台の設置等により気泡発光が安定化し、その結果、共振モードの違いによる発光量の変化は従来の実験結果よりも小さいことが判明した。また、超音波強度としては共振状態にありながら、気泡が安定せず、発光に至らない場合があることも判明した。実験容器が共振状態となる超音波周波数に関しては、理論的に予測される数値にほぼ近いものの、容器周辺の付属物の影響で必ずしも十分な一致を示さず、その結果、高調波重ね合わせの効果を解明するには至らなかった。共振周波数を微調整するための新たな工夫が必要である。流体シミュレーションコードの開発に関しては、2次精度のTVDスキームを用いた1次元バージョンがほぼ完成し、実験結果の解析に使用できる状態となってきた。気泡の膨張・収縮運動に関しては、水の粘性と圧縮性を考慮したレイリー・プレセットの方程式を使用しているが、気泡内の最終到達温度がこの方程式にかなり敏感に依存することが判明し、気泡周囲の水も流体として扱う流体コードに高精度化する必要性が明らかとなった。
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