Project/Area Number |
10750127
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fluid engineering
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齋藤 賢一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90294032)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 分子動力学法 / 非平衡力学 / 計算力学 / 水 / 液体 / 界面 / 熱伝達 |
Research Abstract |
まず、前年度(第一年度)の知見をもとにして、固体表面に液体分子が流れる非平衡分子動力学モデルを大規模計算に対応できるようにし、解析を行なった。液体は窒素分子とし、固体壁は金属のアルミニウムとした。流れ方向に計算領域を増やしても、確率的流入境界条件と自由流出境界条件の組合せにより、やはり液体の流れが生成されることを確認した。また、金属表面の温度が高い場合とくに明らかに、液体部分で熱流束が流れ方向に生じることを見出した。これにより定常的な熱流を生じている非平衡状態が設定できる新たな分子動力学法の確立へと前進した。一方、各種界面では分子動力学法による分子レベルの詳細な知見が必要なものの、シミュレーション対象とする全系に分子動力学法を適用するのには計算機リソースの限界が否めないという問題がある。そこで、界面近傍では分子動力学を、それ以外は別の枠組みの力学理論を、と階層的に選び組み合わせるいわゆる多重解像度分子動力学法と呼ばれているシミュレーション手法の調査を行ない、手法を発展させた。金属原子クラスターの衝突・合体現象を対象として検討した。この現象では表面間相互作用が重要であるので、クラスターが接する部分には通常の分子動力学法を行ない、それ以外は剛体の動力を適用するアイデアのもとに、独自の理論の構築を行なった。また、可視化ソフトウェアを利用することによって現象の理解を深めることを進めた結果、テンソル量でありこれまでの方法では表示の難しかった原子応力を応力楕円体により可視化する手法を副次的に確立した。本研究で提案している多重解像度分子動力学の手法は発展段階にあり、今後、分子動力学領域の設定方法を改良すべきこと、剛体領域の弾性的な挙動の喪失を十分に考慮する必要があることがわかった。以上の成果から、本研究テーマである、界面における力学的非平衡現象の分子動力学法による解明が一歩前進した。
|