Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,スピンラインレオメータによる高分子流体の伸長粘度測定に対し,複合紡糸を利用して測定方法の改善を図ることを目的とする.本年度は,昨年度,製作した実験装置を用いて伸長流れを可視化し,伸長粘度測定を行なう.ただし,昨年度,使用した制御用試料流体(水飴水溶液)では,環境温度によるせん断粘度の変化が大きいため,85wt%グリセリン水溶液を使用した.また高分子流体として85wt%グリセリン水溶液にポリアクリルアミド(PAA)を0.01wt%混入したものを使用した.なお,流量比やフィラメント長さなどの実験条件については,昨年度得られた結果を使用した.その結果,得られた伸長粘度は,伸長速度の増加に対する伸長粘度の増加(stretchthickening性)を示し,その傾向は,流量に依存しないことがわかった.しかし,測定した伸長力は,制御用流体と試料流体の両者を区別することができず,水を溶媒としたPAA0.01wt%水溶液の結果より大きな値を示した.一方,伸長流れの可視化(水素気泡法)に関し,ノズル出口近傍では,制御流体(外管)の速度の変化は大きいが,高分子流体(内管)では,ほぼ一様な速度分布を示した.また両流体の界面は,ノズル出口近傍では安定した形状であったが,下流に行くに従い,その区別が困難となり,ノズル下部に設けた真空ポンプ(伸長流動発生機構)近傍では,不安定な形状を示した.さらに本年度,複合紡糸の流れの数値計算を行なった.構成式として修正Giesekusモデルを使用し,試料流体の定常せん断粘度曲線ならびに法線応力差曲線にフィットするようにパラメータを選定した.その結果,計算結果は,実験と異なり,フィラメント長さを十分大きくとることができなかった.これは,制御流体と高分子流体の界面状態の扱いが不十分であったこと,また両流体の界面張力が不明確であったことがその要因であることがわかった.
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