Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
本研究は,数値解析により多孔質内微視的速度および温度場を検討し,多孔質特有の熱流動現象の素過程を明らかにしたものである.多孔質を通過する流れにおいては圧力損失が大きいため,多孔質固体まわりの上流側と下流側に大きな圧力差を生じるとの見解が,Forchheimer流動抵抗は層流での形状抵抗の寄与によるものとの概念をもたらしている.しかしながら本研究では,形状抵抗に実質的に寄与する圧力は主流平均圧力分布(-Δp/Δx)xを減じた圧力成分π(x,y,z)=p(x,y,z)-(-Δp/Δx)xとなることを明らかにしており,従来考えられたものより形状抵抗の寄与はかなり小さくなる.Forchheimer流動抵抗ならびに熱分散の影響は流れの不安定が生じる遷移領域で認められるようになり,多孔質構造体を複数周期配列した場合には,擬似渦(多孔質固体を迂回する流れ)の不安定の挙動は各ユニットで一様にならないことが認められた.これに関しては,数値解析スキームに起因した計算誤差との見方もあるので,今後実験的な検証を行う必要があろう.また,レイノルズ数の増加にともない,熱分散に非等方性が認められるようになり,非等方性の要因としては擬似渦の寄与が考えられる.さらに,本研究では乱流域の直接数値解析までは至らなかったものの,多孔質内乱流を取り扱う上で基盤となる乱れ生成と散逸について理論的検討を行い,多孔質特有の乱れ生成ならびに散逸機構について明らかにするとともに,多孔質内乱流いおけるKolmogorovの長さスケールを評価している.
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