Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究においては繊維強化複合材料に代表される新素材複合材料の力学的材料特性推定システムの構築と材料最適化に関する研究を実施した.特にここではFRPプリプレグシートやフィラメントワインディングにより成形される一方向繊維強化複合材料を研究の対象とし,初年度である昨年度はこれらの複合材料の弾性定数をニューラルネットワークにより推定するシステムの構築を試みた. そこで今年度は一方向繊維強化複合材料から成形される積層平板の自由振動問題に着目し,その固有振動数最大化に及ぼす材料特性推定精度の影響を検討した.具体的には複合材料を構成する繊維と母材のミクロな材料定数から複合材料としてのマクロな材料特性をいくつかの複合側を用いて算出した.次に求められた材料定数を用いて,積層形態の異なる積層平板の固有振動数を古典積層理論に基づいた数値計算により求めた.なお,ここでは理論解析の簡単化のためクロスプライ積層された周辺単純支持板を考えた.そして,計算に用いた複合則の違いによって生じる材料特性や振動数の違いを比較検討した結果,実質的と考えられる繊維体積含有率の範囲において,特に繊維に直角方向の縦弾性係数に数10%以上の大きな違いが生じるものの,単層,3層積層板に代表される対称積層板の振動数評価にはあまり大きな影響は生じなかった.一方,2層積層板のような非対称積層板の振動数には対称積層の場合に比べてかなり大きな差が生じた.したがって,今後,構造の最適化が見込まれる新素材複合材料の最適設計においては,マクロな材料特性の評価を高精度に実施することの重要性が明らかとなった.なお,これらの研究成果については今後日本機械学会の講演発表会等において公表する予定で準備を進めている.
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