Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
二面間の接触を有するマイクロシステムには,様々な因子が表面吸着力として作用して摩擦力に影響を与えている.本年度は接触面積と摩擦力の関係について,大気環境下ならびに真空環境下で実験を行った. 表面吸着力として作用するものに,水分子などによるメニスカス効果,静電力,ファンデルワールス力が考えられる.本研究で対象としているマイクロシステムでは,想定している接触面積(見かけの接触面積)を0.1mm^2〜10mm^2としているため,ファンデルワールス力の影響は小さいと考えた.そこで,静電力がどの程度摩擦力に影響しているのかを調べた.繰り返ししゅう動を行った実験と,除電をしてしゅう動を行った実験を比較すると表面の吸着力が二分の一になった.また接触面積と摩擦力の関係は線形関係で無いことを明らかにした.なお,メニスカス効果については昨年度の実績を参照されたい. 次に接触面積が0.17mm^2(質量0.15mg)と0.53mm^2(質量0.41mg)のマイクロシステムを用いて周囲の環境が変化したときの摩擦力の変化を調べた.大気環境下ではそれぞれの摩擦力は4μNと250μNとなったが,真空環境下ではそれぞれ3.0μNと25μNとなった.接触面積の比が3.11であり摩擦係数の比が3.05となったので,真空環境下では接触面積と摩擦係数は線形関係にあるといえる.真空環境下の実験においては除電を行い,また水分子も大気中に比べほとんど存在していないため,静電力やメニスカス効果が摩擦力に与える影響は少ないと考えられる.本研究では,大気環境下においてマイクロシステムのしゅう動に表面吸着力が大きく接触面積と摩擦力は線形関係ではないが,真空環境下においては接触面積と摩擦係数は線形関係にあることを明らかにした.
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