Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
大容量交流超伝導導体の最適化設計を行うには,導体の交流損失特性と安定性を評価する必要がある.これら両者は,導体のさらされる磁気的環境に大きく依存するため,実用機器における導体の使用環境を考慮して評価する必要がある.従って,本年度の研究では,上記の点を系統的に解明することまず第一の目的とした.そこで,大容量超伝導導体の交流損失を最小にし,安定性を損なわない導体構造の最適化設計手法の開発のため,それらの交流損失特性を評価した.これにあたり,まず素線およびケーブル導体として最も電流容量の小さい(6+1)本撚りケーブルの損失特性を実用電力機器の巻線中における電磁界環境を模擬した状況下で評価した.この点については,従来の我々の研究成果でも部分的には得られているが,系続的な評価は行っていなかった.今年度の研究では,まず撚りのピッチと向きを変えた数種類の素線および1次ケーブルを用意し,それらの交流損失特性と外部縦磁界の向きと大きさ,及び素線の撚りピッチとの関係について,系統的な評価を行った.その結果,外部縦磁界と素線内部に発生する自己縦磁界の向きが同じ場合,外部縦磁界の大きさと向きに対応させて素線及びケーブルの撚りピッチを適正に調整することにより,交流損失を最小化できることが明らかになった.さらに,交流損失を最小化できる素線撚りピッチの最適化条件を得る手法を開発できた.この結果を用いて,素線を36本束ねた電流容量が2kA級のケーブル導体を設計・試作し,その評価を行った.その結果,本手法の妥当性を示すことができた.これにより,交流超伝導導体の大容量化に対して,有用な知見が得られた.
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