Project/Area Number |
10750213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電力工学・電気機器工学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩熊 成卓 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (30176531)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 高温超伝導体 / 超伝導マグネット / パルスコイル / 直冷式超伝導マグネット / Bi2223 / 並列導体 / 転位 |
Research Abstract |
従来、超伝導技術を特殊先端技術として位置づけ産業への応用を妨げてきた最大の要因は、超伝導マグネットが冷媒として液体ヘリウムを必要とし、非常に高価な冷却設備投資と煩雑なメインテナンスを必要としたためである。本研究は、酸化物超伝導体を用いてこれを払拭し、超伝導技術の幅広い産業分野への応用を目指して、産業界待望のスイッチを入れるだけで手軽に操作できるメンテナンスフリーにして強力な磁界を発生しうる超伝導パルスコイルシステムの開発研究に取り組んできた。 具体的には、酸化物高温超伝導線材を用いた冷凍機直接冷却方式の超伝導パルスマグネットシステムの熱的、機械的、電気的基本構造について考察を行った。本研究では、まず振幅1T、周波数1Hzで連続運転可能なパルスコイルを最初の具体的な開発目標として掲げ、これを実現するための要素研究を行った。研究成果に基づき、Bi2223超伝導多芯線を素線とした4本並列導体を用いて、振幅1T、周波数1Hzで連続運転可能な冷凍機冷却方式超伝導パルスコイルを設計、製作した。本年度はこれを用いて、コイル内部で発生する交流損失による発熱量と磁束フロー損失による発熱量の温度依存性を調べ、コイルの温度上昇との関係を定量的に評価した。以下に観測により得られた主な知見を列記する。 1.コイル定格運転時の平衡温度は40Kであり、これはコイルの交流損失と侵入熱等その他熱負荷の総和と冷凍機の冷却能力との平衡点であり、ヒーターを用いた較正によりこれを確認した。 2.コイル全体の発熱量はコイルの温度上昇とともにある温度までは単調に減少したが、これ以上では急速に増加に転じた。 3.コイル発熱量の転移点は、温度上昇とともに臨界電流密度が減少しこれに伴って減っていく交流損失と増えて行く磁束フロー損失の大小が逆転する点であった。 4.コイルが熱暴走を始める温度は通電電流、交流損失に依存し、コイルの安定限界はこれらの関数であった。 今後、さらにコイル内における局所的温度変化を観測することによって、発熱と冷却の分布を取り入れた解析を行い、冷凍機冷却方式超伝導パルスコイルの設計指針を明確にしていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)