Project/Area Number |
10750236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古川 勝彦 九州大学, 先端科学技術共同開発センター, 助手 (40264121)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | シリコン系絶縁膜 / ECRスパッタリング / 構造評価 / 低温形成 / シリコン酸化膜 / ゲート酸化膜 / プラズマ酸化 / ECR / スパッタリング |
Research Abstract |
近年、磁気メモリーに代わるデバイスとしてフラッシュメモリーが脚光をあびている。現状のフラッシュメモリーは10万回が書き換え限度であり、磁気メモリーの1000万回以上に遠く及ばない。その原因として、データ書き換え時のトンネル酸化膜の劣化があげられる。これを回避する新たなトンネル絶縁膜としてシリコン酸窒化膜が注目されている。最近我々は、低温下でECRスパッタ法を用いて、40nm膜厚で12〜13MV/cmの絶縁破壊特性を持つシリコン酸窒化膜の作製に成功した。この絶縁破壊特性は、同じ膜厚の高品質な熱酸化膜に匹敵するものである。しかしながら、この優れた絶縁破壊特性を有する膜構造に関しては詳細な研究は行われていない。本研究では、オージェ電子分光法(AES)およびX線光電子分光法(XPS)等を用いて、ECRスパッタにより成膜されたシリコン酸窒化膜の膜構造を詳細に調べることにより、その優れた絶縁破壊特性の発現に関して考察を行った。 実験にはCz-n型(100)、厚さ650μm、抵抗率8〜12Ωcmの6インチウエハーを用いた。このウエハーをRCA洗浄した後、ECRスパッタ装置を用いて40nmのシリコン酸窒化膜を成膜した。この際の成膜条件は、マイクロ波パワー300W、RFパワー100W、基板温度130℃、ガス流量Ar16sccm、N_28sccmを一定とし、O_2ガス流量を変化させた。これらの膜の構造評価は、AES、およびXPS測定等により行った。 O_2ガス流量に対するSiO_xN_γ膜のyの依存性を調べた。組成分析はAES測定により行った。これを絶縁破壊特性の結果と比較すると、高い絶縁破壊特性を有するγは0.25〜0.45の領域にあることがわかる。Randらは、CVDにより作製されたシリコン酸窒化膜中のγが0.25付近である場合、その膜のストレスは0に近いことを示している。このことから、γが0.25〜0.45の領域のSioxNγスパッタ膜のストレスは非常に低いことが予想される。yが0.25〜0.45付近のSiO_xN_γ膜のN1sXPSスペクトルにおいて、398eVのN-(Si_2O)の結合に起因する成分が強くなっていることがわかった。このSi-N-O-Si結合の存在は、膜のストレスを緩和させ、それと同時にストレスが原因で生じる膜中の欠陥濃度を減少させることが知られている。ECRスパッタにより成膜されたシリコン酸窒化膜の高い絶縁破壊特性は、膜中に多くのSi-N-O-Si結合が存在することによる欠陥濃度の減少に基づくものと思われる。
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