サイドゲート構造をもつ半導体量子細線における電子状態と電子輸送に関する研究
Project/Area Number |
10750247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子デバイス・機器工学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
百瀬 英毅 大阪大学, 低温センター, 助手 (80260636)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 半導体量子細線 / サイドゲート構造 / 擬1次元電子系 / 電子輸送現象 / ホットエレクトロン / 半導体超格子 / サイクロトン共鳴 / 電子有効質量 / サイクロトロン共鳴 |
Research Abstract |
本年度は、GaAs/AlGaAs単一ヘテロ基板上にホール測定用の電極構造を設け、両端の電極に電圧を印加しながら顕微フォトルミネッセンス(PL)測定を行い、PL信号の変化から電子状態について解析を行った。電極から離れた部分では電圧印加によるPL信号の変化は見られなかったが、正電極付近では電圧印加と伴にPL信号が増加し、負電極付近では逆に減少した。これは、顕微PL法により励起光が直径数μmの狭い領域に照射されているので、電子分布に不均衡が生じ、これによって試料中の電界が不均一になることが原因と考えられる。 量子構造における電子状態をより詳しく解析するために、昨年度に引き続きサイクロトロン共鳴による電子有効質量と電子のエネルギー準位について解析を行った。その結果、(InGaAs)_n/(AlAs)_n超格子では(GaAs)_n/(AlAs)_n超格子で観測されたΓ-Xクロスオーバ現象と同様の信号変化が観測された。また、昨年度観測されたヒステリシスな共鳴信号は、積層数nをわずかに変えた試料では観測されないことが判った。 昨年度と以上の結果をふまえ次のような結論を得た。GaAs/AlGaAs変調ドープ単一ヘテロ基板上に電子線描画法とウェット化学エッチング法により作製した半導体微細構造における擬1次元、及び、2次元電子系からPL発光を顕微PL法を用いて観測した。その結果、報告されていた擬1次元電子系でのホットエレクトロンの発生は、量子細線構造中の局所的な領域に限られることがわかった。これは、ウェット化学エッチング法による試料作製過程で細線の両脇部分に格子欠陥などが発生し、実効的な量子細線幅が一様になっていないためと推測された。すなわち、実用デバイス開発にはこれまで無視できるものであったレベルの格子欠陥を減らす必要があることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)