Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
移動体通信において,電波伝搬は周辺の建物等の障害物による反射,回折,散乱等によってマルチバス伝搬となる.このようなマルチパス伝搬環境下において移動体通信を実現しようとすると,マルチパスフェージングによる通信品質の劣化が大きな問題となる.DS/CDMA通信方式は符号間干渉がほとんど問題にならず,移動体通信に非常に有効な通信方式である.しかし,受信信号電力が相前後する受信信号に分散してS/N比が劣化することが問題となっている.このような問題を克服する技術として考案されたレイク受信機は,分散した受信信号電力を合成することによりS/N比を向上させることができる.既に,レイク受信機に多元接続干渉抑制機能を組み込んだ適応受信機が提案されている. 従来の多元接続干渉抑制機能を組み込んだ適応レイク受信機では,マルチパス伝搬路の一部のインパルス応答を用いることによって適応能力を向上させると共に演算量を低減させている.しかし,全てのインパルス応答を用いていないため,分散した受信信号電力を十分に集めることができない.そこで本研究では,S/N比を劣化させることなく多元接続干渉を十分に抑制することができる適応レイク受信機を提案した.提案した適応レイク受信機では,ブラインド適応アルゴリズムを用いて多元接続干渉を十分に抑制した後,ブラインド適応等化器を用いて伝搬器の全てのインパルス応答を精度良く能率的に推定している.計算機シミュレーションでは,従来の適応等化器を含むマルチステージ受信機と比較して多元接続干渉を十分に抑制できること,従来の受信機と比べ精度良く送信データを推定できることを示した.これらの成果については報告書にまとめ,既に研究会で発表した.現在,多元接続干渉を抑制するブラインド適応アルゴリズムの演算量の低減について検討している.ブラインド適応アルゴリズムの収束特性を劣化させることなく,演算量の大幅な低減が確認された後,学会誌で研究成果を報告する予定である.
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