Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
本研究では、体内の各種成分の検出を行うための光導波路型センサの開発を目的としている。今年度は前年度に引き続いて、基礎的研究として飽和脂肪酸と長鎖アルキル基を付与したローダミン色素の混合有機超薄膜を作成し、検出対称をNaClに限定して研究を行った。前年度までに、 LB膜などの有機超薄膜に蛍光性色素をドープすると、膜電位を蛍光強度として測定することが可能であることが確認された。これらの有機超薄膜に各種選択性を持たせることによって各種成分を測定できるものと思われる。しかしながら、前年度の結果からは、膜電位と蛍光強度の関係があきらかとはいえなかった。そこで本年度は、膜中色素の蛍光強度変化の動作を明らかにするために、実験を続けるとともに、それらの結果を膜内電位をモデルシミュレーションを行うことによる解析を行った。その結果、以下のことが確認された。1.膜内電位分布は、必ずしも単調増加あるいは単調減少ではない.また特に強く電界の変化の強い領域が存在する.2.蛍光強度の変化は色素の膜中の位置に強く依存する.今後は、色素の組み込む位置を制御することによってセンシング対称に対して選択性をもたせることができると思われる.
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