Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
パルスエコー画像に代表される現在主流の医用超音波画像には,分解能は劣悪である,定量性がない,等といった欠点があった。本研究では,この解決方法としてCTの原理を応用し,散乱波を用いた画像再構成手法を提案し,シミュレーション及び実験による検討を行い,医用画像診断への応用の可能性を検討することを目的としている。今回は,基礎的な検討として,点散乱体,および円柱状物体を想定したシミュレーション,点散乱体を用いた実験を行った。 本手法は,送信波として平面波を用い,その後方散乱波を受診し組織の反射係数の投影データを算出し,CTの理論に則って画像再構成する手法である。パルスエコー画像と異なり,深度によらず,等方的で高分解能な反射係数分布を再構成可能である。高分解能化のためには,ウィナーフィルタを用いている。 シミュレーションによる検討結果を以下に述べる。点散乱体を想定した場合,白色雑音S/N 40dBの条件下で0.0625mmの分解能(点拡がり関数の半値幅)が得られた。これは,通常のB-mode画像の分解能よりも高分解能である。また,投射角制限の悪条件において,繰り返し補正法を適用した画像再構成シミュレーションも行った。その結果,複数配置した点散乱体においては,等方向高分解能が得られたが,円柱モデルにおいては,十分なデータ補間が行えなかった。今後,新たな画像復元法の開発が必要である。 実験による検討結果を以下に述べる。寒天ファントム中に,点散乱体としてワイヤーターゲットを挿入し,送信周波数2.7MHz,サンプリング40MHzで実験を行った。再構成時のウィナーフィルタのS/Nは40dBとした。その結果,0.0773mmの分解能を得た。これは,S/Nの指定誤差などを考慮すると,ほぼ理論通りの結果といえる。同じ実験環境でB-mode画像を撮影した場合の分解能は,最も高い方向で0.657mmであった。これらの結果により、本手法による超音波CTの可能性が実験的にも示された。
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