Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,時変システムや非線形システムに対する制御系設計として有効な,LPV(Linear Parameter Varying)システムに対する補償器設計理論において未解決となっている,入出力データに基づくLPVシステムによる実システムのモデリング・同定の過程を扱い,「LPVシステムに対する同定から制御までの統一的な制御方策を確立すること」を目指している.その具体的な課題は,1:「LPVシステムにおける同定結果の解析」,2:「同定結果と制御系設計手法との融合,アルゴリズムの確立」,3:「実システムへの適用と結果の考察」,4:「提案手法を実現するソフトウェアの公開と配布」であり,平成10年度は課題3,4のの結果を導出することを計画した. 課題3:鉄工業における高炉の自動制御をめざし,その精密なシミュレータから制御系設計用のモデルの導出,および制御系設計に対して本研究の手法を適用し,数値計算によりその有効性を確認した.具体的には,高炉内部の主となる振る舞いを再現した2相4成分モデルを作成し,そのモデルの解析をとおして,必要な入出力特性をLPVシステムによって表現することを考え,シミュレータの入出力データから有効なLPVシステムを導出し,またそのモデルを用いたゲインスケジューリングによる制御系設計を試みた.数値結果としては十分のものを得たが,残念ながら研究期間内に,より複雑で精密な高炉シミュレータ,および実高炉への適用は実現できず,今後の課題となった. 課題4:提案手法を実現するソフトウェアは完成した.ただし,まだこれを公開・配布するには至っておらず,引き続き,これを整備したうえで,近日中に公開・配布を実施したい.
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