Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究では、地球上の大気運動のエネルギーとなる地表面からの熱供給および水蒸気供給を題材として、複雑な地表面上での大気-陸面過程の仕組みを、野外観測とそのデータ解析によって明らかにしようというものである。2年目にあたる本年度は、初年度の観測に加えてさらに広範囲の条件化でのデータを得るために追加観測を行った。また、初年度と本年度によって得られた観測データの解析を行い,非一様地表面上における大気-陸面相互作用についての知見を得た.本年度の研究成果を以下に列挙する. 水田上における野外観測 昨年度と同様,新潟県西蒲原郡中之島町の中之島土地改良区に属する広大な水田上において乱流観測を行った.観測項目は昨年度と同様であるが,6月から10月と長期間にわたって観測を行ったため,稲の様々な生育段階,すなわち様々な地表面状態での観測データが得られた. 消散法の実用性に関する解析 乱流運動エネルギーが分子粘性によって熱に変換される量を消散率と呼ぶが,この消散率と境界層乱流による運動量・熱・水蒸気輸送量との関係を用いて,これらの輸送量を算定する方法を消散法と呼ぶ.ここでは、この消散法を観測データに適用することによって,消散法の実用性を検証するとともに,様々な地表面状態における消散率の特性を把握した.これによれば,2次モーメントである分散などに比べて,消散率は地表面状態の非一様性に影響を受けにくいことが見いだされた. 分散法の応用性と分散特性に関する解析 2次モーメント(=分散)と運動量・熟・水蒸気輸送量との関係を用いて,これらの輸送量を算定する手法を分散法と呼ぶが,ここでは、この分散法を観測データに適用することによって、その計測手法としての応用性を確認した。また、同時に分散特性を調べることによって、非一様な地表面上における分散値の特性を考察した.
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