Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
主として山岳地で生起する局地的集中豪雨についてその地形条件が豪雨生起後の降雨の時・空間分布に与える影響を導くことによって,実時間での降雨予測のための知見を提供することを目的に以下の観測および数値実験を行った.これにより,本研究で計画していた観測データの収集,数値モデルの開発とそれを用いたシミュレーション,および解析が達成された. 観測 6月22日〜7月3日にかけて九州南西部にて行われたX-BAIU99およびGPS気象学の合同観測に参加し,地形の影響を受けていない鹿児島県甑島列島にてGPS,地上気象測器,ラジオゾンデ,レーダーによる測地・気象観測を行った.それによって,豪雨時の海洋上における水蒸気の移流や相変化量を考察する基礎資料を収集した. 計算1 小規模水蒸気擾乱の変動特性をGPS視線方向大気遅延量から算出するためフーリエスペクトルを用いた方法を考案し,それを1998年の琵琶湖プロジェクトにおけるGPS,1次元風速分布観測データに適用し,方法の妥当性を検証した. 計算2 1998年梅雨期に長崎橘湾周辺で観測されたラジオゾンデ,レーダーデータと3次元雲解像モデルを利用して,豪雨時の水蒸気変動状況を再現した. 解析 上記の観測および計算方法と計算結果を利用して,豪雨時の水蒸気変動を考察し,豪雨をもたらす対流性降雨およびその周辺の層上性降雨が水蒸気変動に与える影響は異なっていることが,数値計算によって示された.観測データを詳細データに検討することによって,豪雨が水蒸気擾乱に与える影響はGPS可降水量や,視線方向大気遅延量を用いることによって,観測可能であることが示された.
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