Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
硬化コンクリートは,表面から内部にいたり物性が異なることがこれまでの研究により明らかにされており,表面のみの物性情報による推定であること,物理的根拠が示されていないことが,反発度法における問題点であるといえる. 平成10年度に行なった実験から,反発度が深さ方向に分布を示すこと,強度性状の異なる試験体では,反発度と強度との相関が異なること,反発度と試験体の吸収エネルギーには高い相関があることが確認された. 平成11年度は,反発度が示す物理量を検討するために,加速度計,弾性波受信子を用いて,テストハンマーのプランジャーならびに試験体の挙動を測定した. 反発度法は,ハンマーによる打撃をプランジャーを介して試験体に伝えその反発量を測定するものであるから,これを衝撃現象と捉え,測定値から力積値を求め,反発度ならびに試験体の強度性状との関係について検討を行った.結果,反発度と力積値は高い相関を示し,また強度性状が異なると相関が異なることが確認できた.このことから,力積値で評価することは,より多くの物性情報を得ることが可能であるといえる.また,強度が同じで内部に欠損がある試験体では,反発度は同じ値を示すものの,得られた波形から欠損がない試験体と異なった周波数が現れることが確認できた. 以上の結果から,プランジャーの挙動を測定し,物理量を特定できたことは,反発度と試験体のもつ物理的性質との関係について解析的評価を可能にするものと考えられる.また,衝撃を与えた試験体の挙動により内部の情報を得ることは,反発度測定と同時,あるいは単独で,欠損などコンクリート構造体内部の評価法の一つとして,非破壊による品質管理が期待できる.
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