Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
平成11年度は,1)小学校の授業活動における家具レイアウトの変化からみた空間の分節化,2)小児病棟における家具レイアウトの変更による領域形成過程,3)幼稚園の屋外園庭での遊び活動の拠点形成について観察調査を行った。 1)小学校では,低学年の教室前にオープンスペースを可動間仕切りで小さな空間を作り,読み聞かせ時に用いている事例が観察された。教師へのヒアリングでは,8m×8m教室では児童が落ち着かないため,集中させたい時は,この小さな空間に移動させている。5年生ぐらいから,机を自分の拠点として認識し,オープンスペースと教室内の空間を使い分ける様子が観察された。低学年の場合は,広いオープンスペースよりも,こもれる閉じた空間を用意する方が,落ち着いて授業が受けられると考えられる。 2)慢性内科小児病棟の家具レイアウト実験では,変更期間が1週間であったため,十分に使いこなせていないが,領域形成において自分の領域と他者を意識し始めるのは小学6年生からで,それ以下は一人では不安なため同室者に寄り添う事例が多かった。また,6年生以上は病室内に学習机を持ち込むことで自分の領域を形成しやすく,またベッドと机の間に中間的な領域を形成しはじめ,会話などの交流が生じている。高校生になると他者を排除する傾向が強くなり,病室内での交流は少ない。 3)幼稚園の屋外園庭での遊び活動場所を年少・年中・年長で比較すると,園舎近くの砂場にしか年少はおらず,園庭奥の遊具で遊ぶのは年長たけである。年長も1人では遠くの遊具では遊んでおらず,広い園庭中央で遊ぶ園児も少ない。遊具が遊びを誘引するが,園舎からの距離に応じ,遊ぶ園児の年齢も上がっている。
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