Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
次世代の複合材料として現代社会でその需要が急激に高まっている磁性材料の特性向上を目指して,磁性および非磁性材料を組合わせた磁性複合材料の開発を目的とした研究を行った.手順は(1)材料設計,(2)試料作製,(3)組織観察,(4)磁気的性質の測定,(5)実用化へ向けた展開,である.(1)では,微視力学を応用してEshelby法により複合材料の組織と磁気的性質との関連を解析した.その結果,試料系としては鉄/銀系がモデルとして優れていることがわかった.次に,(2)の段階で実際に鉄/銀系試料を粉末冶金法により作製した.鉄と銀の融点を考慮した焼結温度,雰囲気等の作製最適条件を鉄と銀の組成を0〜100%まで変化させた各組成について求めた.(3)の段階で,できあがった試料を光学顕微鏡で観察,画像処理により焼結組織を定量化することにより,組織の形状,大きさ等が複合材料の磁気的性質に及ぼす影響を微視力学により解析,予測した.次に作製した試料の磁化曲線を測定し((4)),(5)の段階で実験値との比較,今後の発展への可能性について考察した. 研究全体を振り返ってみると,基本的研究にとどまってしまったきらいはあるが,微視力学的手法を磁性に適用させる試み,および実際に粉末冶金法により作製した試料から得られた実験値との比較検討により,解析理論の妥当性が示され,今後の新しい機能性材料として注目される磁性複合材料の実現司能性,および従来の機械的性質の向上を狙った複合材料と同様に磁性複合材料設計への指針が与えられた.
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