Project/Area Number |
10750522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐伯 功 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50235090)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 高温酸化 / ブレークアウェー / 応力 |
Research Abstract |
平成11年度は平成10年度の検討課題を含め、2軸応力下におけるFe-Cr合金の高温酸化速度の測定と酸化物の性質評価について研究を行った。具体的には、外部応力がマイクロクラックの発生原因である酸化物の成長応力と拮抗する場合マイクロクラックの生成が抑制され,酸化物中のCr含有量が多くなるか否かを次の様な酸化物の性質を評価することにより検討した。その結果次のことが明らかになった。 1.Fe-16Cr鋼に応力を印加せず1173Kで高温酸化すると、酸素雰囲気の場合、ブレークアウェー現象は保護性酸化物皮膜の厚さが約1ミクロンに達した時点で発生する。これは、酸化物皮膜蓄積した成長応力が限界値を超え、機械的に破壊する事を示唆している。また、酸化雰囲気に水蒸気が含まれると保護性酸化物の成長挙動、皮膜の組成は酸素雰囲気の場合と同様であるが、ブレークアウェー現象が起こる際の酸化物皮膜の厚さは減少した。 2.引張応力下で高温酸化を行うと、応力の増加とともにブレークアウェーが発生する限界皮膜厚さが増加し、4メガパスカル以上の応力で減少する。これは、ブレークアウェー現象発生に対して酸化物皮膜中に発生する圧縮応力が影響し、4メガパスカルの応力によるFe-16Cr鋼の1173Kにおけるクリープ伸び速度が皮膜中の生成応力増加速度と釣り合うことを意味している。また酸化物皮膜の組成は応力の増加とともにクロムリッチになり、4メガパスカル以上の応力では鉄を多く含む酸化物皮膜が生成する。応力のない場合には皮膜は微視的な破壊と修復を繰り返しながら成長し、約4メガパスカルの応力では破壊を起こさずにクロム酸化物が生成し、さらに高い応力下では緻密な保護性酸化物が生成しないことがわかった。
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