Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
薬効成分-有機溶媒-水からなるモデル溶液を用いて晶析・濾過・乾燥の操作を行ない,医薬品結晶の乾燥による溶媒除去促進について以下の知見を得た。 1.晶析結晶層の熱風乾燥では,限界含水率までの乾燥速度は緩やかな減少を示した。これは吸着性材料が示す特徴と酷似している。一方,限界含水率以下の乾燥速度はある限界値まで指数関数的に減少した。これは蒸発面後退を起こす非吸着性材料が示す特徴である。また,結晶層を脱水した後に熱風乾燥した場合,限界含水率までの期間は非常に短いが,それ以降の乾燥挙動は脱水しない場合と同様であった。 2.以上の結果から,晶析結晶層の乾燥機構は次のようになると推論される:結晶層が含む水分(溶媒と水の総称)は結晶層が形成する細孔に存在する毛管水(懸垂水と索状水)と吸着水,さらに結晶内部にとりこまれた結合水に分けられる。限界含水率以前の期間は索状水と吸着水が除去され,乾燥速度は吸着等温線と蒸気圧曲線により決定される。それ以降は移動抵抗が大きな索状水と結合水が除去されており,蒸発面後退が起こる。 3.さらに,晶析結晶層の真空乾燥を行なったところ,限界含水率以降の乾燥速度は熱風乾燥の場合ほど急激な減少は示さず,過熱蒸気乾燥と類似の傾向を示した。また,乾燥中の材料内水分分布を測定したところ,蒸発面後退は起こっていないことが確認された。従ってこの場合,索状水と結合水の蒸気による移動が大きく促進されていることがわかる。
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