Project/Area Number |
10750554
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 義人 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (70213709)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 超臨界水酸化反応 / アンモニア / 固体触媒 / 二酸化マンガン / 反応工学 / 総括反応速度 / コークス炉ガス洗浄排水 / 窒素 |
Research Abstract |
本研究は、超臨界水酸化反応を利用したアンモニアの新規処理プロセスの可能性について検討することを目的として行われた。まず初年度に流通式反応装置を作製し、生成物の分析システムを確立した。続いて、均一系酸素酸化反応について、500℃以下の温度ではアンモニアの分解が起こらないことを、実験と計算の両面から検証した。一方、触媒として二酸化マンガンを用いた不均一系酸化反応について、触媒の導入によって分解が飛躍的に加速されること、窒素原子を含む生成物の大部分が窒素分子であること、水の密度が総括反応速度に負の影響を持つことなどを明らかにした。さらに、この技術を実排水に適用する可能性を検討すべく、コークス炉ガス洗浄排水中のアンモニアの分解をモデル反応として実験的検討を加えた。実排水の分析の結果、アンモニア以外の主な成分としてフェノールや各種無機イオンが高濃度で共存することが明らかになった。このうちフェノールについては、触媒の粒径によっては物質移動が律速になること、水の触媒表面への吸着が反応を阻害することが明らかになったが、総括反応としては十分に速く進行し、フェノールの分解についても触媒の導入は有効であることが示された。さらに、アンモニア/フェノールを実排水と同程度の比で含むモデル排水について実験を行った結果、両化合物の完全酸化に対して相互が負の共存効果を及ぼすことが明らかになった。最後に、実排水を希釈したサンプルについて分解実験を行ったところ、470℃、接触時間2秒の条件で0.8を越える高いアンモニア分解率が得られ、温度を上昇させるとさらに分解が加速された。また、フェノールは1秒程度でほぼ完全に分解し、全有機炭素も2秒程度で約0.8の分解率を示した。以上、工業的実排水を用いた実験結果より、固体触媒を用いた超臨界水酸化反応がアンモニアの新規な分解処理プロセスとして有望であることを明らかにした。
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