逆ミセル中の微水環境の性質並びにそこに可溶化された蛋白質の構造上及ぼす塩の影響
Project/Area Number |
10750561
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
衣笠 巧 新居浜工業高等専門学校, 工業化学科, 講師 (10195323)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 逆ミセル / 抽出 / タンパク質 / 蛍光スペクトル / 導電率 / ESR / CD |
Research Abstract |
逆ミセルへのタンパク質の抽出に及ぼす水相添加塩の効果について、逆ミセル中の微水環境の性質およびそこに抽出されたタンパク質の可溶化状態の観点から検討した。 界面活性剤AOTの対イオンをNa^+からK^+とCa^<2+>に置換したM(AOT)_n(Mは金属イオン)からなる逆ミセル溶液を調製した。これに二相接触法および粉末添加法によってタンパク質リゾチームの可溶化を行い、その蛍光スペクトルを測定した。逆ミセル中の蛍光スペクトルはミセルサイズに関わらず、水中に比べて同程度短波長側にシフトした。これはリゾチームが逆ミセル中で極性の小さい環境に存在することを示す。ESRスペクトルの結果との比較より、リゾチームは逆ミセルの界面活性剤層に入りこんだ状態で可溶化されていると推測された。しかし、対イオン種による蛍光スペクトルの違いは観測されず、添加塩は逆ミセル内部におけるタンパク質の可溶化状態にほとんど影響しないことを示唆する。続いて逆ミセル溶液のバルク的性質を調べるために導電率を測定した。導電率は液中の水分量が増すとともに緩やかに増加した後、ある閾値以上で急激に増加し、パーコレーション現象を示した。パーコレーション閾値に対する塩効果はほとんどみられなかったことから、逆ミセル間相互作用に対イオンが影響しないことが示唆された。 以上より、逆ミセルによるタンパク質の抽出において添加塩の効果はタンパク質と逆ミセルとの静電的相互作用に帰することがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)