Project/Area Number |
10750594
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山 宗孝 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90221861)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 有機導電性ラジカル塩 / ジクロロジシアノベンゾキノン / 電極表面修飾 / イオン対生成 / ペリレン / テトラクロロベンゾキノン / CCD検出法 / テトラシアノキノジメタン / アニオンラジカル / ダイアニン / 電解析出 / 導電性塩 |
Research Abstract |
本年度は、有機導電性化合物を構成する電子受容体として知られているジクロロジシアノベンゾキノンの還元体の金属塩生成による電極表面の改質について検討した。 まず、リチウムイオン共存下アセトニトリル中での還元反応においては、ダイアニオン種がリチウムイオンと反応して電極表面にラジカル塩を生成することがわかった。このとき、類似した構造を持つテトラクロロベンゾキノンを共存させ改質電極表面での電子移動反応を解析した結果、リチウムイオン濃度に応じてアニオンラジカル生成を許容したり阻害したりする様子が観測できた。 次に、マグネシウムイオン共存下で検討した。その結果、この場合はジクロロジシアノベンゾキノンアニオンラジカルとマグネシウムイオンが反応して電極表面にアニオンラジカル塩が生成することがわかった。そのため、テトラクロロベンゾキノンを共存させた場合には、その電子移動は完全にに阻害されることがわかった。これらの結果は、非水溶媒中でのイオンの検出や分析にも応用できるものと考える。 また、本年度は、有機ラジカル塩の生成過程の解析を進める目的で、新しく開発した電気化学-顕微CCD検出法を用いて解析についても検討した。その結果、芳香族有機化合物であるペリレンカチオンラジカルの塩析出反応過程において、電解酸化時に二種の結晶形態の構造が電解析出することを見いだした。すなわち、一方は過塩素酸イオン共存下で生成する金色の微結晶体であり、もう一方は電解をさらに継続した場合に見られる黒色の針状結晶体である。また、これらの生成過程は、電解条件や電解時に共存するアニオンの種類によって、大きく変化することもわかった。
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