Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本年度は,ニッケル系(LiNiO_2),鉄系(LiFeO_2)およびバナジウム系(Li_xVO_y)複合酸化物を調製し,リチウム2次電池用正極材料として評価した。得られた結果を以下に材料別に示す。 (a)LiNiO_2のNiサイトを様々な金属元素(Co,Mn,Al,Ga,Ti,Fe)で置換した試料を調製し,それらを用いて作製した電極の充放電特性を評価した。その結果,未置換LiNiO_2は初期電池容量が約170mAh/gと大きいものの徐々に低下し,充放電サイクルが30回を超えると約120mAh/gまで低下した。そこで,NiサイトをGa,TiあるいはFeで5-10%置換したところ,Ti,Fe系に関しては,安定な充放電特性は得られるものの電池容量が基本的に低くなることが分かった。一方,NiサイトをAlやCo,Mnで置換したものは,充放電を重ねても電池容量が約170mAh/gで変化がなく,良好な充放電特性を示すことが分かった。 (b)LiFeO_2を主に水熱合成により調製し,その電池特性を評価した。その結果,この系の酸化物を用いた電池電圧は約2Vと非常に低いうえ,1.5〜3.5Vの広い充放電電圧で評価しても電池容量は大きいもので100mAh/gであった。しかし,FeサイトにCo,Mnを部分置換固溶したものは,比較的安定した充放電挙動を示すこと,有機錯体法により得られたLiFeO_2前駆体がほぼ同等の性能を示す等,興味ある結果が得られた。 (c)LiCO_3とV_2O_5をCo_3O_4とともに混合後溶融・急冷することにより作製したLi_xVO_y系の特性を評価した。その結果,急冷直後のアモルファス試料に比べ,それを熱処理した試料の方が著しく良好な充放電特性を示すことが分かった。
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