高原子価金属ポルフィリン誘導体の光反応ダイナミクス(励起状態における軸配位子プロトン解離を中心として)
Project/Area Number |
10750600
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
嶋田 哲也 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50252317)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 人工光合成型物質変換反応 / 高原子価金属ポルフィリン誘導体 / 可視光誘起酸素化反応 / 反応メカニズム / ポルフィリンオキソ錯体 / レーザーフラッシュホトリシス / ポルフィリンオキソ誘錯体 / アンチモンポルフィリン |
Research Abstract |
人工光合成型物質変換反応は重要視されている反応の一つである。申請者の研究室ではポルフィリン誘導体を可視光照射の増感剤として用い、水分子を電子源かつ酸素源とするオレフィン類の光酸素化反応の実現を目指している。本研究はこの反応のメカニズム解明と手法の確立を目的とした。 始めに反応を直接観測するためのレーザーフラッシュホトリシス実験系の確立と発展を行った。次にアンチモンポルフィン誘導体を増感剤とする反応の動的挙動解明を試みた。反応初期ではポルフィリン励起3重項を確認した。次に幾つかの電子受容体を使い、励起3重項との電子移動過程とその後の活性反応中間体の観測を試みた。また対アニオンによる影響を調べた。得られた結果は、実際の光反応で得られた推定反応機構を大枠で支持した。続いて、現在最も効率良く生成物を与える電子受容体である塩化白金酸に注目した。アンチモンポルフィリンと塩化白金酸による光酸素化反応系の初期過程では、励起3重項がすぐに電子受容体と相互作用する過程に加え、まず励起状態でプロトン解離した後に電子受容体と相互作用する過程が重要であることが明らかとなった。そこで、後者の過程の詳細を知るため、基底状態で軸配位子がすでにプロトン解離しているポルフィリンを使いレーザーホトリシス測定を行った。その結果、基質による中間体の失活、電子受容体添加による新規中間体の発生などの興味ある事実が明らかとなった。 申請者の研究室では、アンチモンポルフィリン誘導体による光酸素化反応系に加え、アンチモン以外の中心金属をもつポルフィリンやポルフィリン以外の分子を増感剤とする光増感反応系、さらに光補集と反応を異なる分子が受け持つ反応系へと研究を展開させている。本研究で拡張させた実験系はこれら反応のメカニズムの解明や発展に大きな力となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)