ペロフスカイト型複合酸化物における層状構造化機構と物性変化に関する研究
Project/Area Number |
10750603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越智 健二 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助手 (00301127)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 高温超伝導 / 層状構造 / ペロフスカイト型構造 / キャリアドーピング / 硫化酸化物 / ホールドーピング / 相変化 |
Research Abstract |
2年間にわたる本研究において、主に以下の2つの系を取り上げ、陽イオン置換とキャリアドーピング及び層状構造変化の密接な関係を明らかにしてきた。 まず、Bカチオンとして銅の他にチタン、ルテニウム等の異種のイオンを含む一連の化合物(A_n(Cu,Ti,Ru)_nO_<3n-δ>:nは単位胞中のペロフスカイト単位数)を取り上げた。一般に、酸化物高温超伝導体はペロフスカイト構造(組成式)ABO_3)を基本とし、CuO_2超伝導面を有するために2次元性の強い結晶構造を持っているが、我々の研究により発見した2つの新しい銅チタン酸化物系、Ln_2CaBa_2Cu_2Ti_3O_<14>(Ln_2=La_2〜Tb_2,LaY〜TbY)及びLn_2Ca_2Ba_2Cu_2Ti_4O_<17>(Ln_2=Pr_2〜Tb_2)においては、Ti^<4+>サイトへのCu^<2+>置換によりCuO_2面へホールドーピングを行った場合、置換量の増大とともにCuO_2面の多い相から少ない相への相変化が起きることを明らかにした。また、この相変化によってCuO_2面へのホールのドープ量も変化することを見出し、層状構造化・陽イオン比とホールドーピングの間には非常に興味深い関係があることが判明した。また、銅ルテニウム酸化物系において、新規超伝導体RuSr_2EuCu_2O_yを発見し、この系において話題となっている「強磁性と超伝導の共存」について、その是非を議論した。 また、高温超伝導体は一般に酸化物であるが、本研究では同様な層状構造を持つ新たな系として、層状硫化酸化物(一般式:(Cu_2S_2)(Sr_<n+1>M_nO_<3n-1>))を取り上げ、新物質探索を行った。Mサイト金属置換を行うことにより3つの新規層状硫化酸化物、(Cu_2S_2)(Sr_2CuO_2)、(Cu_2S_2)(Sr_2NiO_2)および(Cu_2S_2)(Sr_3Sc_2O_5)を発見し、その構造および磁性について議論した。また、この系においても他価数金属置換によりキャリアドープが可能であることを示し、今後の物質開発における指針を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)