Project/Area Number |
10750623
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
本山 幸弘 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (20283492)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 光学活性 / 含窒素配位子 / 遷移金属錯体 / 不斉合成 / 光学活性含窒素配位子 / α,β-不飽和カルボニル化合物 |
Research Abstract |
まず、有機合成上重要な反応基質であるα,β-不飽和カルボニル化合物を、光学活性窒素配位子であるビスオキサゾリニルピリジン(Pybox)を有するルテニウム錯体に導入し、その構造解析を詳細に行なった。その結果、α,β-不飽和カルボニル化合物はオレフィン部でsi-面選択的に配位し、そのカルボニル部位はs-trans構造であることを明らかにした。さらに得られたオレフィン錯体への不斉アルキル化反応について検討した結果、カルボニル部位に対し選択的にアルキル化反応が進行し、高い不斉収率で対応する二級アルコールが得られることを見い出した。 一方、新規光学活性窒素配位子としてビスオキサゾリニルフェニル(Phebox)を設計し、種々の遷移金属錯体を合成、構造解析を行なった。その結果、二価のパラジウムおよび白金のカチオン錯体が、アルジミンに対して選択的に配位することを見い出した。さらに得られたアルジミン錯体に対して不斉アルキル化反応を検討した結果、高い不斉収率で対応する二級アミンが得られることを見い出した。 また、二価のPybox-ルテニウム錯体と等電子および等立体構造である三価のPhebox-ロジウム錯体では、中性の遷移金属であるにもかかわらず、ルイス酸としての性質を示すことを見い出した。そこでアルデヒドに対する不斉アリル化およびヘテロDiels-Alder反応について検討した結果、いずれの場合も触媒的に反応が進行し、高い不斉収率で対応するホモアリルアルコールおよびジヒドロピランが得られることを見い出した。このロジウム錯体は水や空気に安定であり、さらに反応後に定量的に回収できることから、新たな不斉ルイス酸触媒としての可能性を秘めており、今後、さらなる検討を行なっていく予定である。
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