Project/Area Number |
10750641
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
工藤 益男 山形大学, 工学部, 助手 (30250955)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 磁性塗料 / 磁場 / 動的粘弾性 / 配向 / 分散性 / クライオSEM / 分散 |
Research Abstract |
強磁性微粒子を高分子溶液中に分散させた磁性塗料に対して、磁場を印加した際の粒子配向挙動及び粒子分散状態をin situ評価することを目的として動的粘弾性測定を行った。スリットせん断型レオメーターに磁場印加装置を組み込み、印加磁場強度H=0〜1.0kGにおいて磁性塗料の動的粘弾性測定を行った結果、Hの増加に伴い貯蔵弾性率G'が顕著に増加する現象が観察された。また、磁場印加角度依存性が確認され、スリットに対して垂直に磁場を印加した場合、最も大きなG'が得られた。これらの現象は、磁性粒子の磁化容易軸が磁場印加方向と平行になるように配向し、さらに粒子が連結して鎖状クラスター構造を形成した結果と判断した。一方、塗料中における磁性粒子体積分率を増加させると、G'は増加するが、磁場印加前のG'_0との相対弾性率G'/G'_0は低下する傾向を示し、高体積分率では磁場印加効果が小さくなった。高粒子体積分率では、1)隣接する粒子間で互いに配向を妨げ合う、2)粒子分散性の低下により粒子凝集体が形成される、などの理由により磁場応答性が低下したと考えられ、磁性粒子分散状態の差異が粒子配向挙動に影響を及ぼすことが確認された。磁場印加により形成される鎖状クラスター構造を直接評価するために、磁場を印加した磁性塗料を液体窒素を用いて急速凍結・固化させ、その表面状態をクライオSEMによって観察した。一次粒子の配向を確認することはできなかったが、レオロジー測定においてG'/G'_0が高い値を示した低粒子体積分率の塗料において、太さ1〜3μmの鎖状クラスターの存在が観察された。しかし、粒子体積分率の増加とともに鎖状配向構造は不明瞭になり、このことはG'/G'_0が低下したことと一致した。以上のことから、磁性塗料に磁場を印加した際の粒子配向挙動については、本手法による検討が有効であることが確認された。
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