Project/Area Number |
10750645
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
前田 寧 福井大学, 工学部, 助教授 (60242484)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 赤外分光法 / コイル-グロビュール転移 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / アミドバンド / 水和 / 温度応答性 / ヘムタンパク質 / 西洋ワサビベルオキシダーゼ / 有機溶媒 / 構造活性相関 / 2次構造 |
Research Abstract |
本研究ではタンパク質の熱変性やフォールディングのモデル系として注目されているポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PIPA)のコイル-グロビュール転移のメカニズムを明らかにするために、主に赤外分光法を用いて解析を行った。 PIPAのIRスペクトルの温度依存性を測定すると、LCSTである34℃付近で急激に水和状態に変化が起こった。転移に伴いC-H伸縮振動とアミドIIバンドは低波数シフトし、アミドIバンドは高波数シフトした。また、アミドIバンドは、LCST以下では水と水素結合したC=Oに帰属される成分(1625cm^<-1>)のみからなるが、LCST以上では非水和のC=Oに帰属される成分(1650cm^<-1>が生じた。39℃以上では脱水和されているC=Oの分率はほぼ一定の約13%であった。 ポリ(n-プロピルアクリルアミド)(PnPA)、ポリ(ジエチルアクリルアミド)(PDEAA)、ポリ(アクリロイルモルホリン)(PACMO)のアミドIバンドをカーブフィティング法で解析したところ、N-一置換体であるPnPAではPIPAと同様にLCST以下では水和型成分のみであったのが、LCST以上では高波数側に非水和の成分が生成した。一方、N-二置換体であるPDEAとPACMOではLCST以下でも非水和型を含む2成分であり、LCST以上では低波数側に第3成分が生成した。 また、IPAとイオン性コモノマーであるビニルイミダゾール(VIM)やアクリル酸(AA)との共重合体では、コモノマーのイオン化度に依存してLCSTが変化した。さらに、VIMとIPAの共重合組成とpHを変えて転移エンタルピー(ΔH)とLCSTの関係を解析したところ、塩濃度の等しい場合には同一曲線上にのり、塩濃度の増加に従って低温、低ΔH側にシフトした。塩とコモノマー組成とではLCSTを変化させる機構が異なることが示唆された。
|