波浪中を航走する船の非線形変動圧力推定法に関する研究
Project/Area Number |
10750662
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
船舶工学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩下 英嗣 広島大学, 工学部, 助教授 (60223393)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 変動圧力 / 非定常流場 / 非線形定常流場 / ポテンシャル理論 / ランキンパネル法 / 完全非線形 / 定常造波問題 / 非定常造波問題 / diffraction wave |
Research Abstract |
本研究では、三次元数値計算法を用いて波浪中を航走する船の造波問題に関する非線形境界値問題を解き、特に船体に作用する波浪変動圧に関して、非線形影響が定性的・定量的にどの程度であるのかを明らかにすることを目的としている。昨年度の研究において、静水中を船が航走する定常問題に関する完全非線形計算を行い、線形理論では考慮できなかった水面上の船体形状の影響を計算結果に反映できるようになっている。また、そこで得られた数値解から波浪中の非定常問題を扱う際に必要となる定常流場の影響項を計算し、非定常造波問題に関する境界値問題を数値的に解く手法の開発もほぼ完了しており、本研究の骨子となる目的をおおよそ達成している段階にあった。そこで、本年度は、開発した理論計算法を多くの船型や海象条件で適用し、得られた数値結果を実験結果や線形理論の計算結果などと比較することにより計算法の妥当性を検証した。細長船型については、過去の実験データと本計算法による比較を行い、非線形定常流場の影響を考慮することにより船体に働く流体力や船体運動などをより高い精度で推定できることを示した。また、非線形影響が船首近傍で特に大きく現れることを波形の観点から定量的に示すことができた。一方、肥大船型についてはSeries-60(C_b=0.8)の模型を用いた水槽実験を行い、船全体に作用する流体力のみならず、変動圧力の代わりとしてより計測の容易な非定常流場を計測し計算値と比較した。細長船に比べて、非線形定常流場の影響は船首近傍でより大きくなるものの、波崩れなどの影響により計測値と計算値の値にはかなり大きな相違が見られることが判明した。肥大船の船首近傍では粘性影響が支配的となると推定され、その影響の究明、およびその影響をポテンシャル理論により簡易推定できるようなモデルの開発が今後必要になるものと思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)