過酸化脂質をターゲットとしたホスホリパーゼA2のタンパク質工学的解析と応用
Project/Area Number |
10760042
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 智久 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80240901)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | ホスホリパーゼA2 / 過酸化脂質 / 細胞毒性 / タンパク質工学 / ホスホリパーゼA_2 |
Research Abstract |
ハブ毒腺ホスホリパーゼA2(PLA2)の基質結合部位アミノ酸である67位Asn残基置換体の卵黄ホスファチジルコリンの過酸化脂質に対するリン脂質分解活性を調べた。過酸化リン脂質に対する分解活性は、いずれも非過酸化リン脂質に比べ低下していたが、Asp置換体など荷電をもつ変異体に対して、その傾向が顕著であった。このように過酸化脂質に対する特異性の変化がみられた。54位〜71位部分をランダムに変異させたものについては、構造的に重要な部位であるためかリフォールディンク効率などで問題が生じたため、量的に十分なものは得られなかった。過酸化脂質とアポトーシスとの関連が報告されていること及びよりin vivoに近い系での解析を行うため培養細胞を用いたassay系を導入した。PLA2アイソザイム間(Asp-49-PLA2およびBPI,BPII)でのBHK細胞に対する効果が異なり、BPIおよびBPIIは細胞毒性を示すが、Asp-49-PLA2は細胞毒性を示さなかった。また、BPIとBPIIは67位がAsnとAspの1残基のみ異なるが、BPIIの方が強い細胞毒性(約10倍)を示し、ここでも基質結合部位アミノ酸残基の重要性が明らかになった。 しかしながら、Asp一49-PLA2と異なることから67位変異体のほかにC端側領域についても着目し、キメラ変異体を作成した。興味深いことにC端側部位をBPI/IIに置換したキメラ変異体とAsp-49-PLA2は、BHK細胞においてはBPIIの細胞毒性をさらに増強することがわかった。また、SkMC細胞をもちいた場合には、キメラ変異体は逆に阻害作用を示し、細胞によって異なる作用を示した。今後は、細胞種間でのリン脂質などの組成の違いなどを考慮し、解析する必要がある。本研究により新たなPLA2の機能および細胞への作用を見い出すことができた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)