アミノアシル-tRNA 合成酵素の基質認識機構の解明と蛋白質工学による改変と応用
Project/Area Number |
10760049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
滝田 禎亮 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70263126)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アミノアルシ-tRNA合成酵素 / リジル-tRNA合成酵素 / 部位特異的変異 / Bacillus stearothermophilus / アミノアシル-tRNA合成酵素 / ドメイン |
Research Abstract |
アミノアシル-tRNA 合成酵素は、反応の第1段階で、対応するアミノ酸を、ATPにより活性化する。申請者は、ATP-PPi交換反応の速度論的解析から、B.stearothermophilusのLysRS(B.s.LysRS)のアミノ酸活性化反応は、L-リジンが先に結合するsequential ordered機構であることを明らかにした。この結果は、基質結合に起因するタンパク質蛍光の変化とも一致している。まず、基質結合の際に観測される蛍光変化を示すTrp残基を同定するため、B.s.LysRSの2つのTrp残基の変異体、W314F、W332F、W314F/W332Fを作成し、大腸菌中で発現させ、電気泳動的に均一に精製した。変異型の活性の速度論的パラメーター及びCDスペクトルを測定したところ、野生型の結果とほぼ一致した。一方、蛍光変化は、W332Fのみで観測され、これは、基質結合の際の蛍光変化はTrp314に起因することが明らかになった。そこで、申請者は、平成11年度の研究実施計画に従い、基質L-リジンと、またそれに続くATPとの相互作用が考えられるAsn414とArg402の変異体の解析(N414A、N414D、R402K、R402M)に着手した。蛍光滴定からN414A、R402K、R402MとL-リジンのpH8.0、25℃でのK_dは、野生型の36.3μMに対し、それぞれ792μM、123μM、397μMと求められ、これら部位特異的変異によりL-リジンとの結合が弱められることが明らかになった。これは、大腸菌由来LysRSX-線結晶構造解析の結果から示唆される、L-リジンのα-カルボン酸とAsn414と、またAsn414とArg402との相互作用が、B.s.LysRSにも存在することを示した。しかしながら、N414Dに関する結果は、L-リジンとのK_dは69.4μMとなり、予想されるL-リジンのα-カルボン酸と、Asp414のα-カルボン酸の静電的相互作用による反発は少ないことが明らかになった。さらに、これらのATP-PPi交換反応を測定したところ、kcatは野生型よりも減少していた。またATT-PPi交換反応におけるL-リジンに関するK_mは、蛍光滴定によるK_dとよく一致した。さらに、これら変異体のAPP-PPi交換反応におけるATPに関するK_mは、L-リジンに関するK_mと類似した変化を示し、これら残基が両基質の認識に連動して関与することが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)