ジベレリン生産糸状菌由来のカウレン合成酵素の構造と環化反応機構に関する研究
Project/Area Number |
10760074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川出 洋 理化学研究所, 植物機能研究室, 基礎科学特別研究員 (20291916)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | biosynthesis / diterpene cyclase / ent-kaurene synthase / gibberellin / site-directed mutagenesis / 生合成 / cyclase / ジテルペン / fungus / Phaeosphaeria sp. / site-directed muta genesis |
Research Abstract |
(1)放射性標識コパリ二リン酸(CDP)の調製と精製を行った.市販されているトリチウム標識ゲラニルゲラニル二リン酸(GGDP)と大腸菌で作製した組換えCDP合成酵素(CPS)との反応からトリチウム標識CDPを合成した.粗抽出されたものを逆相系のイオンペアクロマトグラフィーにより精製し,基質として用いた. (2)Phaeosphaeria sp.L487株由来のカウレン合成酵素(FCPS/KS)の酵素反応を速度論的に解析し,これらを植物由来のCPSおよびカウレン合成酵素(KS)と比較した.FCPS/KSでは,CDPの親和性がGGDPよりも高く,KS活性の方がCPS活性よりも高かった.これは植物モデルとして用いたカボチャ由来のCPSおよびKSと似た傾向であった.しかしながら,植物のCPSでは高濃度のGGDPに対して基質阻害を示すのに対し,FCPS/KSではそのような阻害傾向は認められなかった.この違いは,植物におけるホルモン生合成とカビにおける二次代謝産物の生合成の制御機構の一つかもしれないと考えられた. (3)前年度に作製したFCPS/KSの各種組換え変異タンパク質(部位特異的変異体およびデリーション変異体)を精製し,それらの酵素活性を精密に調べた.FCPS/KSのアミノ末端側はCPS反応に関与し,カルボキシ末端側はKS反応に関与するが,精製タンパク質を用いて精査した結果,アミノ末端側はCPS反応だけでなくKS反応にも重要な影響を有するドメインであることが判明した.反応メカニズムが異なる植物のCPSおよびKS,あるいは他のジテルペン環化酵素でも,FCPS/KSのアミノ末端側と保存性の高い領域がある.多くのジテルペン環化酵素にみられるこの領域は,反応中の酵素を安定化させたり酵素-基質複合体になったときの安定化に重要な役割を持っているのかもしれない. (4)山形大学のグループによってcDNAクローニングされたGibberella fujikuroi由来のカウレン合成酵素cDNA(GfCPS/KS)を大腸菌体内で発現させ,組換え融合タンパク質を生産させた.このものの酵素活性は,Phaeosphaeria sp.L487株由来のFCPS/KSと同様,GGDPをCDPを経てカウレンに変換する多機能ジテルペン環化酵素であることを示した.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)