Project/Area Number |
10760082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
食品科学・栄養科学
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
室田 佳恵子 徳島大学, 医学部, 助手 (40294681)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アレルゲン / 大豆 / β-コングリシニン / 消化抵抗性 / 粘膜透過性 / Caco-2 / 消化低抗性 / βコングリシニン / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
大豆に含まれるタンパク質のうち、アレルギー患者血清と反応する主要なものの一つにβ-コングリシニンのα-サブユニットがある。β-コングリシニンは一次構造の非常に類似した主要な3つのサブユニット(α、α'、β)から構成されているが、これらのうちα-サブユニットが特に強いアレルゲン性を示す。そのような差異をもたらす要因の一つとして消化・吸収性の違いが考えられる。本年度は、各サブユニットの消化管粘膜透過能について検討した。 実験系として、ヒト結腸癌由来の培養細胞で小腸での消化・吸収を研究する上で広く利用されているCaco-2細胞を選択透過性フィルター上に培養したものを用いた。脱脂大豆より精製したβ-コングリシニンの3つのサブユニットの水溶液を細胞層の粘膜側(小腸管腔側)に与え、3時間インキュベートした後、SDS-PAGEにて細胞層透過液中のタンパク質を検出したが、各サブユニットと考えられるタンパク質はあってもごく微量であった。そこで昨年度に作製したモノクローナル抗体を用いてウェスタンブロットによる検出を試みたところ、α-およびα'-サブユニットが検出され、β-サブユニットに比べて細胞層を透過しやすいことが示唆された。これらの分子が細胞層の透過性に与える影響を経上皮電気抵抗(TEER)を指標に測定したところ、α-およびα'-サブユニットはインキュベート初期にTEERを低下させる傾向が見られた。すなわち、これら2種のサブユニットはβ-サブユニットに比べて小腸粘膜透過性が若干ではあるが高いことが示唆された。昨年度行った消化抵抗性に関する実験では、β-サブユニットが最も消化されにくかったが他のサブユニットにおいても比較的抵抗性の高い中間産物が見られており、以上のような消化・吸収性の違いが複合的に作用して、アレルゲン性の差異を形成していると考えられる。
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