Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本年度の研究では、まず森林土壌の水分特性を指標化する目的で,雨水貯留量指標Sを提示した。Sは,土層の下端に定常地下水面があり,土層内の水分移動が無い状態から一定強度の雨を継続してかけた場合に土層内に貯留される水分量という,明確で平易な物理的意味を持つ。Sの妥当性を検討するために,団粒状構造およびカベ状の森林土壌の典型的な水分特性を用いて,鉛直浸透過程の数値シミュレーションを行った。その結果,より大きなSを持つ団粒状土壌が,降雨中により多くの雨水を土層内に貯留し降雨終了後に徐々に流出させることが示され,Sの有用性が確かめられた。次に、土壌の不飽和透水係数を表現するためのより一般化されたモデルの開発を行った。これまで、土壌の孔隙構造を解析することによって、不飽和透水係数を表すモデルが幾つか提示されたいたが、全ての土壌に適用可能なものではなかった。本年度の研究では、土壌孔隙の連結特性を表現する新たなパラメータを1つ加えることで、モデルの適合性が大きく向上することを示した。以上の結果により得られた土壌水分特性の評価手法を用いて、土壌のガス拡散係数と水分特性の関連を解析した。風化花崗岩を母材とし、団粒化の発達具合の異なる森林土壌について計測されたガス拡散係数と気相率の関係は、両対数グラフ上で概ね直線となり、Currieの示した式の適用が可能であることが示された。また、土壌水分特性曲線(圧力水頭と含水率の関係)が森林土壌化の違いにより大きく変化する一方で、ガス拡散係数と気相率の関係はそれほど大きな違いを示さないことがわかった。さらに発泡煉石を用いた土壌改良の結果、一定気相率に対するガス拡散係数の値が増加するが、圧力水頭とガス拡散係数の関係に大きな変化は生じないことがわかった。
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