Project/Area Number |
10760100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
作田 耕太郎 九州大学, 農学部, 助手 (10274523)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 常緑広葉樹 / 海岸マツ林 / 林冠 / 光合成有効放射 / 先駆性樹種 / タブノキ / クロマツ林 / 更新特性 / 光合成特性 / 水分通導性 |
Research Abstract |
暖温帯の海岸マツ林への常緑広葉樹の侵入・定着様式を明らかにすることを目的として、マツ類と常緑・落葉広葉樹が混交する海岸マツ林で,林冠構成木の樹種ごとの相対胸高断面積比(RBA)によるパッチの類型化、パッチごとの林床のギャップ率(GLI)と光合成有効放射(PAR)の測定、林床の稚樹個体数と分布による多様性の算出、そして、実生に由来する常緑広葉樹稚樹の伸長成長パターンの解析を行い、これらの相互関係について検討した。 林冠構成木のRBAによるパッチの類型化より,調査地のパッチはマツ型、マツーハゼノキ型そしてクスノキ型の3つに分類された。これら3つのパッチの間には.GLIに大きな差はなかったが、PARはマツ型で最も高く、クスノキ型で最も低かった。林床の稚樹の多様性はPARと正の相関を示したが、常緑樹の稚樹にはパッチとの対応が無かったのに対し、落葉樹の椎樹はマツ型のパッチで多様性が高く、クスノキ型のパッチでは低下し、落葉樹稚樹の侵入・定着には光環境の影響が大きいと判断された。 また、常緑広葉樹の実生は、その分布と伸長成長パターンから先駆的な樹種(クスノキ.クロガネモチなど)と非先駆的な樹種(クロキ,シロダモなど),および先駆・非先駆の両特性を有するタブノキが認められた。すなわち、先駆的な樹種は主にPARが高かったマツ型のパッチに分布し、伸張成長速度も高かった。一方,非先駆的な樹種は、すべてのパッチに分布し、伸長成長速度は低かった。タプノキは非先駆樹種と同様にいずれのパッチにも存在したが、伸長成長速度はマツ型のパッチでは先駆的な樹種と同程度であり、クスノキ型のパッチでは非先駆的樹種と同様に低かった。このような、タプノキの光環境に対ける伸長成長反応の変化は、海岸林の主要構成樹種となる大きな要因の一つと考えられた。
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