Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
本研究では、今年度に以下の調査を実施した.1.1999年11月上旬〜中旬に隠岐諸島周辺海域においてスルメイカ幼生の分布特性調査を実施2.2000年2月上旬〜中旬にハワイ諸島周辺海域におけるアカイカ類幼生分布調査を実施1の調査は、鳥取県水産試験場試験船第一鳥取丸を用いて行った。幼生の採集は、多段式プランクトンネットを用いて、0、0-25、25-50、50-75、75-100mの5層について、計14点で実施した。深度別に採集された幼生の分布は、ふ化直後と考えられる外套長1mm未満の幼生が、海表面近くの0-25m層に最も多く出現し、幼生の外套長が大きくなるにつれて、その分布深度が深くなる傾向が認められた。スルメイカの産出卵塊は弱い沈降性を示すことが飼育実験より報告されているが、本調査の結果から、スルメイカ幼生は海表面近くでふ化し、成長するにしたがって下方へと拡散(移動)することを示唆し、産出卵塊が海表面近くに存在した可能性を示していた。本調査結果については、平成12年度日本水産学会春季大会と2000年7月上旬に英国アバディーンで開催される国際頭足類諮問機構で口頭発表する予定である。2の調査は、北大水産学部練習船北星丸を用いて、ハワイ諸島周辺におけるアカイカ・トビイカ幼生をボンゴネットを用いて採集し、海洋環境と幼生分布との対応を調べた。