魚類の生体防御機構における赤血球膜糖タンパク質グリコホリンの機能の解明
Project/Area Number |
10760127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
青木 恭彦 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (00212366)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 赤血球膜 / 魚類 / グリコホリン / 糖タンパク質 / シアル酸 / O-グリコシド型糖鎖 / O-グリコシド結合 |
Research Abstract |
赤血球膜糖タンパク質であるグリコホリンの機能として,血液型決定基の他にもウイルスの接着能や細胞認識能などがヒトの場合は明らかとなっている。さらに病原菌の侵入防止や免疫等生体防御機構に重要な役割を果たしている可能性が大きい。そこで魚類においても生体防御にグリコホリンの関与があるか否かを解明することを目的とした。 まずコイ赤血球膜からグリコホリンを抽出・単離し,幾つかの生理学的性質を検討した。続いて糖鎖中に含まれるシアル酸の同定および中性糖の組成を,レクチンカラムや電気化学検出器などを用いて検討した。さらに糖鎖の構造を調べるため,糖鎖をグリコホリンから遊離させた後,脱塩・分画を試みた。 採決したコイ血液から,MichelとRudloffの方法を改良した方法を用いて赤血球膜を調整した。得られた赤血球膜からLIS-フェノール法を用いてグリコホリンを抽出した。グルコホリンからシアル酸を遊離させ,薄層クロマトグラフィー法およびHPLC法を用いて同定を行ってみたところ,ヒトとは異なりN-グリコリルノイラミン酸であった。 ついでグリコホリンのO-グリコシド型糖鎖をβ脱離によって遊離させて陰イオン交換カラムを用いたHPLC法で分析したところ,シアル酸含有に差にとって2つの糖鎖画分が得られた。また,N-グリコシド型糖鎖は検出できなかった。2つの糖鎖画分を酸加水分解を行った後,それぞれの中性糖画分を分取した。電気化学検出器を用いたHPLC法で,フコース,ガラクトース,グルコースが構成糖として検出された。また、種々のレクチンに対する親和性も上記の結果と一致した。以上の結果をまとめて平成11年度日本水産学会春季大会で発表した。現在報告を作成中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)