環境負荷要因を考慮した日本酪農の生産性向上に関する計量分析
Project/Area Number |
10760130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Agro-economics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 康貴 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90191452)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 生産関数 / 生産性 / 環境負荷 / 酪農 / DEA |
Research Abstract |
1.研究の目的:従来のわが国農業における生産性分析の問題点の1つとして、農業の環境負荷要因が考慮されていない点があげられる。畜産に典型的にみられる糞尿等の環境負荷要因を明示的に取り入れた生産性の計量分析は、わが国の農業経済学界において、ほとんど試みられていない。そこで、本研究では、生産経済学の理論を授用して、糞尿等の環境負荷要因を、処理費用を要する副産物として、生産可能性集合(生産関数)に明示的に導入し、線形計画法で計測可能なモデルを構築すると共に、糞尿などの環境負荷軽減と生産性向上が同時に求められている酪農を対象として、提示したモデルを計測し、環境負荷要因が酪農の生産性に及ぼす影響を計量的に明らかにすることを目的とした。 2.本年度の成果:昨年度は、分析方法について、(1)環境負荷要因についての価格データがなくても計測可能で、しかも(2)計測モデルが線形計画法となって目的解が容易に求めうるような分析モデルを用い、北海道の酪農データを用いて分析を試行した。本年度の分析に用いたデータも昨年度と同じものであるが、計測モデルを精緻化した。線形計画法で計測された生産性(技術効率)は、計量経済学的方法のように、計測値の統計的検討を加えることができないという難点を有している。本年度のモデルでは、ブートストラップ法を用いて信頼区間等を推計し、昨年度の計測結果を統計的に検討した。分析の結果、家畜糞尿を環境要因として考慮しない従来の生産性の計測値は、本モデルの計測値と比べて過大である点にくわえ、規模拡大による生産非効率の改善よりも、現状の規模のもとで生産非効率を改善する方が生産性向上に、より大きく寄与する点が信頼区間の推計から示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)