食中毒菌に対して殺菌効果を示す乳用乳酸菌の作る抗菌ペクチドの特性解析
Project/Area Number |
10760155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Zootechnical science/Grassland science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川井 泰 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00261496)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 抗菌性ペプチド / バクテリオシン / 乳酸菌 |
Research Abstract |
当研究室で開発した迅速・簡便なマイクロプレートを用い、乳および発酵乳を分離源とした乳酸球菌25菌株により生産されるバクテリオシンについてスクリーニングを行ったところ、食中毒菌に抗菌スペクトルを有するバクテリオシン生産株を3株得た。中でも、SBT1212株により生産されるバクテリオシンは、グラム陰性菌であるサルモネラ菌に効果を示すなど幅広い抗菌スペクトルを有していた。本バクテリオシンについて性質を調べたところ、pH耐性、分子量など乳酸球菌により生産されるバクテリオシン、ナイシンと高い類似性が認められた。そこで、ナイシン構造遺伝子検出用のプライマーを作成し、SBT1212株のクロモソームDNAを鋳型としたPCRを行い、その塩基配列を決定したところ、ナイシンの2種類の変異体(AおよびZ)の1つである、ナイシンZと完全に一致した配列を得た。そこで、SBT1212株により生産されるバクテリオシンをナイシンZと決定し、対照として市販のナイシンAを用い、先に使用した食中毒菌を指標菌として、両バクテリオシンの相違点を検討した。その結果、供試したBacillus cereus全3菌株およびSalmonella enteritidis IFO3313株に対して、ナイシンAと比較してナイシンZにより高い抗菌性が認められた。これまで、ナイシン変異体間に抗菌スペクトルなどの相違点は報告されておらず、本研究で初めて、ある菌種・菌株に異なる活性を提示する結果を得ることができた。また、今回の結果は食品保存剤等への利用には、ナイシンZが優れていることを示唆しており、今後の菌株選択に影響を与えるものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)