神経細胞においてボルナ病ウイルスにより発現制御される細胞分化関連遺伝子群の検索
Project/Area Number |
10760165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水谷 哲也 北大, (連合)獣医学研究科, 助手 (70281681)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ボルナ病ウイルス(BDV) / 細胞分化 / 転写増強 |
Research Abstract |
ボルナ病ウイルス(BDV)に感染した動物の脳では海馬領域における神経細胞の変性が見られることや、ヒトの精神分裂病患者において本ウイルスが効率に発見され、その発生機序は海馬を含む内側側頭葉に何らかの障害が加わることにより障害されるという発達障害仮説が有力視されていることから、BDVが感染すると神経細胞の分化に影響を及ぼすであろうことは容易に予想できる。本研究では神経細胞に性質が類似し、未分化かつBDVが比較的高率に持続感染しているイヌの腎臓由来の細胞(MDCK/BDV)を用いて、細胞を分化させた状態でBDVの遺伝子に変化が起こるか否かについての検討をおこなった。 MDCK/BDV細胞を増殖できるような密度で培養すると(一種の未分化状態)BDVのRNA転写量は低いレベルで一定に保たれているが、コンフルエントな状態で培養すると(一種の分化状態)日を追うごとに転写量が増加してくることがわかった。このことから、細胞同士の接着が細胞の分化を誘導し、BDVの転写に促進的に働いていることが予想された。しかし、この細胞を増殖できるような状態で培養しても、培養液からウシ胎児血清を除去することで細胞周期が止まり、BDVのRNA転写量は増加してきた。MDCK細胞はある程度の細胞接着をしながら増殖するという性質を有することから、カドヘリンによる接着を阻止するためにカルシウムを含まない培地で培養したが、BDVの転写量に影響はなかった。 これらの実験結果から、BDVのRNAの転写増強は感染細胞の周期が止まることと関連していることが示唆されたが、細胞間の接着によるシグナル伝達は関連しないことが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
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